コンセプト

食(おいしい)は愛(うれしい)

最愛のご家族が安心できるものを、つくりたい、届けたい。

もしもパントリー&ラッキーにお立ち寄りいただく機会があるのなら、ぜひ、鮭おにぎりを手に取って、原材料を表示するラベルに目を通して見てください。私たちの自社工場・杏庵(あんずあん)でつくるおにぎりに表示している原材料は、これだけです。

「米(国産)、鮭フレーク、海苔(国産)、食塩」

「食品添加物を使わない食品づくり」を、文字にしてしまえばたったこれだけです。
しかし、食品添加物を極力使わずに食品をつくるのは、実はとても難しいのです。たしかに保存料やpH調整剤などの食品添加物を使えば、日持ちもよく、見た目にもきれいになりますが、食に求めるものはそれだけでしょうか。私たちは安全でおいしいものを届けたい。そう思っています。

食品添加物不使用に挑戦するには何も入れない。それしかないのです。

何も入れないとなれば、味や風味をしっかり引き出すために一つひとつの素材を吟味しなければなりません。鮮度を保つためには、製造方法や配送・販売方法にもさまざまな注意と工夫が必要になります。経営的観点で評価すればそれは「いたずらに難しいことをして生産性を落としている」ということになるのかもしれません。
それでもあえて、私たちはその「食品添加物不使用」に挑戦しています。
素材本来のおいしさを知っていただきたい。最愛のご家族が安心して食事を楽しんでいただくために、私たち自身が誇れる食品をつくりたい、届けたい。

それが、パントリー&ラッキーの想いです。

自社製うどんから始まった食品添加物不使用への挑戦

完成直後に閉鎖されたうどん工場

パントリー&ラッキーが、食品添加物を使わない食品づくりを始めるきっかけとなった「事件」があります。

1978(昭和53年)のことでした。
副社長・伊藤賢二(当時/後に社長)が、完成して間もないうどん工場を視察しました。その際、床の緑色のペンキは剥げて黒くなり、側溝のアルミの蓋は真っ黒に変色していることに気づきます。工場長に理由を聞けば、「うどんづくりに使うpH調整剤をこぼしたので黒くなった。掃除をしても落ちない」との答え。
「君はこの工場でつくったうどんを、君の10歳になる息子さんや家族に食べさせたいと思うか?」副社長は静かに問います。
「たまにはいいですが、正直、毎日は食べさせたくはありません」
「家族に食べさせたくないものをつくって、お客様に売って儲けるとは何事か!食品添加物の使用量が厚生省(現・厚生労働省)の定める基準の三分の一だからと言って許せる問題ではない。量の問題ではなく、食品添加物を使うか使わないか、製造業者の良心の問題だ。明日からこの工場は閉鎖する」
事実、工場は翌日から閉鎖へ。工場長は「食品添加物を使わないうどんをつくりたいので工場を再開したい」と直訴します。この新たな挑戦への決意で工場は再開されました。その後、工場長を中心とするメンバーの数知れない試作と失敗を経て、製造時に食品添加物を極力使用しないうどん、中華そばが完成するまでには3カ月間を要しました。

食品添加物を入れれば、見た目にもきれいな商品ができ、日持ちもします。しかし実はそんな商品は、つくっている本人自身が家族には食べさせたくないと感じている。ならば、自分たちが本当に食べたいと思うものをつくりたい。
この「事件」を機に、パントリー&ラッキーの食品添加物を使わない食品づくりの歴史が始まったのです。